新型コロナウィルスについて

新型コロナ感染の犬が死ぬ 香港、隔離中も発症はせず【3月18日更新】 

新型コロナウイルスの感染が確認された香港の犬が16日に死んだ。

犬はいったん香港政府の施設で隔離されたが、陰性になったため、死ぬ2日前に飼い主に戻されたばかりだったという。
香港メディアが18日までに政府の情報として報じた。
犬は17歳のポメラニアン。飼い主は60歳の女性で、2月に女性の感染が判明した。
犬からもウイルスの弱陽性反応が検出されたため、香港政府が詳しく調べた結果、
犬の体の一部にウイルスが付着したのではなく、低レベルの感染と確認された。
香港政府はヒトから伝染した可能性があるとしている。
犬は政府施設で隔離中も発症はせず、今月14日に飼い主に戻された。
飼い主側は犬の病理解剖を断ったとしている。
香港政府は「ペットがウイルスを媒介するというデータはない」と指摘したうえで、飼い主に対し、
ペットが感染を広めるといった過剰な不安を抱かないよう呼びかけている。
(香港=益満雄一郎)
https://news.livedoor.com/topics/detail/17982972/

 

 

香港の犬からの新型コロナウイルス検出に関する追加情報【3月5日更新】

2月下旬に香港の60歳の女性で新型コロナウイルス感染が確認され,その人が飼育する老齢のポメラニアンの鼻と口の材料に新型コロナウイルス感染の弱い陽性反応がみられました.これがウイルスの付着によるものか,感染なのかを調べるため,その後のウイルスの存在を追跡したところ,複数回の弱陽性反応が出たことから,香港漁農自然護理署(AFCD)は犬が「低レベルの感染」をしていると結論しました.同時にこの所見は大学や国際獣疫事務局(OIE)の専門家たちによっても確認され,「人間から動物への感染例の可能性が高い」とされました.

この犬は新型コロナウイルス感染の症状を全く見せていないといわれていますが,香港政府が先月28日に出した新型コロナウイルスに感染したペットを14日間隔離する措置を受けています.香港では,別の感染患者の犬も1頭隔離されており,現在は陰性となりましたが,隔離は続けられているそうです.香港政府は「現時点でペットがウイルスを媒介するというデータはない」と強調しています.そして,動物が感染源になるといった過剰な心配を抱かないように呼びかけています.

以上が朝日新聞デジタルおよびAFPが報じたニュースの抜粋です.犬が感染する可能性は極めて低いといったわれわれの考えは間違っていたことがわかりましたので,ここに正しい情報をお知らせしました.それではわが国の犬においてどのような対応ができるのかを以下にまとめます.

1. 犬における感染
これまでの香港の2頭だけの経験では,感染であっても低レベルであり,犬には症状は出ないようです.しかし,生きたウイルスが少量ながら一定期間そこに存在するということで,注意は必要です.一方,わが国では動物に対して人間のコロナウイルスのPCR検査を行う体制は全く整っていませんので,検査を行うかどうかについては保健所の判断と思われます.動物病院に来院されても国立感染症研究所から出されている感染管理ガイドラインに沿った対応はできません.

2. 人間が感染して家庭に犬がいる場合
犬は家の中で隔離してください.幸いに犬が健康を害することはないようなので,隔離しておけば自然に感染はなくなるものと思われます.症状がなければ動物病院でできることもありません.また,人間のコロナウイルス感染者を受け入れることができるような病院に相当する動物病院の体制は整っていません.感染した人間が軽症で家にいるならご自分で犬の世話をしてください.感染した人間が入院する際には,犬をどうするかについては,医師ならびに保健所の指示を仰いでください.

3. ふつうの家庭犬は
外出を避ける,外に出るのも家の周りだけにする,人混みには連れて行かない,他の犬との接触を避けるためドッグランも利用しないことで,自宅にいるのが最も安全と思われます.犬にはコロナウイルスが入ったワクチンもありますが,これは犬の消化器コロナウイルスのワクチンで,人間のコロナウイルスに対しては効きません.

4. 猫はどうする
猫にも感染のリスクはあると考えて,外に出さず,家の中においてください.猫のコロナウイルスには,多くの猫が持っている病原性のほぼない猫腸コロナウイルスと,それが突然変異してごく少数の猫に病原性を示す猫伝染性腹膜炎ウイルスがありますが,これらは人間のコロナウイルスとは異なり,猫ではワクチンはありません.猫に人間のコロナウイルスが感染するかどうかについては,SARSコロナウイルス大量を実験的に気管内に接種して感染が起こることが示されていますが,これはあくまでも自然界では起こりえないような実験的な条件であり,その場合も重大な病気は起こらず,すぐに感染から回復するとされています.したがって犬同様に対応してください.

 

5. 最後に
今回の事例では,犬は善意の第三者であり,たまたまウイルスをもらってしまったと考えられ,どうして犬に感染が起こったのかについては,老齢の犬であったからなのか,それとも犬はすべてそうなのかはまだ例数が少ないためわかりません.しかし,中国のように多くの感染患者がいる場所でも,犬から病気をもらったというような状況は報告されていません.
犬は大切な家族の一員です.決して犬を悪者にしたり,飼育を放棄したりしないよう,
そして過剰に恐れることなく,ふつうに対応してください

文責
日本臨床獣医学フォーラム会長
石田卓夫(獣医師,農学博士,日本獣医病理学専門家協会会員)
https://www.jaha.or.jp/info/cov_info_canine_2/

 

 

Q.新型コロナウイルスはペット(犬や猫)にうつりますか?
A.飼い主の皆様にとってはとても心配なことと思います。
現在までに新型コロナウィルスが犬・猫を含むペットに
感染したという
報告は香港での1件はありますが、
飼い主のウィルスが犬の体に付着したものをPCR検査で検出した可能性が高いそうです。

今後、ウィルスが変異する事があれば可能性を完全には否定できないのはありますが
飼育者がしっかりした感染防御の対応をとることが最も重要だと考えます。

正しい情報が分かり次第、発信していきます。

海外では犬が感染源として殺されるという痛ましい事件も
あったそうですが犬が感染源ということは全くのデマです。

以下も合わせてご確認ください。

香港で新型コロナウイルス感染者の飼育犬から弱陽性反応が出た事例について
北海道獣医師会からのお知らせ(新型コロナウィルス感染について)
新型コロナウイルスについて(公益社団法人東京都獣医師会)